Take it easy!ごゆるりと日進月歩。

助産師でありただの育児初心者でもある

卵巣に毛が生えていても、私は女ですけども。

 

医師「うん、卵巣に毛が生えてるね。」

 

私「あ、そうですか。・・・え?なんですと?」

 

 

 

 

これは、グロいお話でもお笑い話でもなく、単純に私がある1人の医師によって仕事を辞める決断に至った話だ。

 

 

私は助産師という仕事を生業にして生きている27歳。

仕事柄女性の病気に関してそこらの人よりも知っている自信があったし

なにより自己管理も出来てるつもりでいた。

 

そう、あの恐ろしい程のパワハラ、セクハラ、モラハラに関して才腕を振るう医師に出会うまでは。

 

 

私は某クリニックでお産や妊婦健診など

助産師として毎日やり甲斐のある好きな仕事をしていた。

産婦人科で女性の多い職場だったが、特によくある女の争いなどもなく、平和に、平凡に生活していた。

 

プライベートでも大好きな彼が出来て、いわゆる順風満帆な生活をしていた。

 

私はこのままストレスもなく、穏やかに毎日が過ぎていけばいいかな〜

好きな仕事をしてる事がまず幸せなことだよな〜

なんて元々の性格もありポジティブに考えていた。

 

しかし、ストレスとはジワジワとそしてゆっくりとお風呂場のカビのように広がって蔓延していく(もっと他に例えなかったんかい)

ことを27年間生きて初めて知ることになる。

 

 

 

私が違和感を初めて覚えたのは働いて1ヶ月目の時だった。

 

ある妊娠初期の患者さんで今までは順調に妊娠経過していたのだが、夜間突然強い腹痛と出血にて来院した。

 

私は患者さんに事情を聞くとすぐに、切迫流産が頭に浮かんだ。

緊急性があったのですぐに例の医師に電話したが、

彼は「今何時だと思ってんの?逆に今もう流産してたら今何もする事ないよね?俺今飲みに来てるからとりあえず適当に点滴打っといてよ。いつものやつ。明日の朝俺診察するから。妊娠初期にやることなんてないよ。無理なもんは無理なんだから。(ガチャッ)」

と言って電話を切った。

 

何が逆になのか全く意味が分からないが、確かに妊娠初期の出血の方に今すぐ手術が出来る訳では無い。

だけれども、私は医療とは、医療処置をする事だけではないと思っている。

患者さんの話を聞いて、診察をして今の状況を説明することと寄り添うこと。

これは最低限やるべき、医療者の義務だと思っていた。

 

 

それに、医療者になる人とは皆がある程度道徳心を持った人がなるものだと思っていた。

 

しかし、彼は違った。

 

彼は医者の名を使って私腹を肥やすことを目的として生きる非道な男だった。

 

 

 

 

彼の人柄がわかる話を少ししよう。

 

例えば、今月の収益が予定より少ない時は、

健康な患者さんに無理やり診断名をつけて入院させるのはお得意の手法。

 

また、当院で出産をしてもらうことが病院の収益になる為、

里帰り出産(地元に帰ってお産をしたい人の事)希望の健康な患者さんに無理やり診断名をつけて

「貴方の都合で里帰りなんて無理です!赤ちゃんが死にます。母親として良いのですか?」

というような半ば脅しのような横暴なやり取りもしょっちゅうだった。

 

 

それだけではない。スタッフにも酷かった。

 

年配のスタッフには怒鳴るが、若い子には優しく、プライベートでも連絡してきて家においでなど誘うなんてしょっちゅう。

 

美人な患者さんにはこれでもかというほどサービスするが、年配には厳しい。

 

 

彼の繰り広げる華麗な(!?)ハラスメントの数々は言い始めたらキリがない程だった。

 

ここまでくると逆になんとも清々しいわ!

とスタッフの中では半分躍起になっていた。

 

私は影で彼の事をハラ大王(ハラスメント大王のため)と呼んでいた。

(語呂悪すぎか、もっと他にあっただろ)

 

 

 

 

 

 

そんな彼の元でも、患者さんを守らなければというスタッフ一丸となっての使命感と

優しいスタッフの方々のサポートもあり、2年がすぎた頃・・・

 

 

 

例の卵巣に毛が生えた事件が起きた。

ついでに突発性難聴と知覚過敏も同時に起きた。(知覚過敏はちょっと違うだろ)

 

 

 

専門的な名称になるが、卵巣に毛が生える病気は卵巣皮様嚢腫という病名である。

 

 

 

 

事の発端は、

きっとハラ大王のいつものハラスメントだったと思う。

 

 

横暴な医療に耐えられなくなった師長や主任等の大先輩が次々と辞めていった。

 

いつかはこういう日が来るであろうことは予測出来ていたし

私も何度も辞めようかと悩んでいたため

尊敬する先輩方の辞めるに至る決断は正解だと思えた。

 

 

頼るべき先輩方が居なくなった。

私がしっかりして、患者さんを守らなければ。

その一心で激務をこなしていた。

 

 

ある日、例の医師から分娩室に呼び出された。

理由は「辞めた師長達だけど、お前達を捨てて出ていった最低な人達だ。お前は辞めるなよ?女だからいつか結婚して子供産んで育児休暇貰うんだろう?それを出してるのはオレなんだ。その事を忘れるな。」

という内容だった。

 

私の中で、何かがプツンと切れるのが分かった。

 

 

私は必死に涙を溜めながら尊敬する先輩方の事を悪く言わないで欲しいこと。

患者さんを1番に考えて欲しいこと。

を出来るだけ機嫌を損ねないように伝えた。

 

 

しかし、やはり、齟齬が生じる。

そりゃそうだよな。

 

 

分娩室に約2時間程閉じ込められ(鍵も閉められ)

怒鳴られ

1人夜勤で他の患者さんのケアもあるのに

散々と言われた。

 

 

そして、

その日の夜勤の仮眠から目が覚めると

 

 

 

肩耳が聞こえずらくなくなっていた。

そして、理由不明の急激な腹痛にも襲われた。

突発性難聴と皮様嚢腫の発症)

 

 

 

 

どこでどう対処すればこうならなかったのかは分からない。

しかし、迷いに迷って私なりに"真っ当"な道を選び続けた27年だったと思う。

 

 

でも、"好きな"仕事をして

"真っ当な"道を選び続ける事が

 

本当は正解だなわけではないのだと。

今は思う。

 

 

 

 

 

あれから月日は経って今は海外に住んでいる。(一体全体何があったのだ)

 

その話はおいおい話したいと思うが

私は声を大にして言いたいのは

 

 

 

正しいと思っていることは本当に正しいわけではないし、

 

真っ当な道を選び続けなさいという言葉は

時に人を追い込む。

 

 

私は日本にいて、女性として助産師として

真っ当に。皆に認めて貰うために。

きっと、無理をしていた。

焦っていた。

逃げるは恥だと思っていた。

 

 

でも、違うんよ。

あなたの心と身体は素直で

無理が1番ダメ。

 

きちんと心と向き合えば

今私が望んでいることが分かる。

 

1歩ずつ前に進めてればいいの。

他人じゃない。あなたの歩幅で。

 

 

 

 

 

おわり。

 

みゅー

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